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2019年度ルネ鑑賞モニターレポート⑨「西本智実指揮イルミナートフィルハーモニーオーケストラ

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10/20(日)西本智実指揮イルミナートフィルハーモニーオーケストラに寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。

今回は世界的に活躍されている西本智実さん指揮の演奏会。普段テレビ等でお姿を拝見したことはありますが、実際に指揮をされているところを観るのは初めてだったのと、西本さんが芸術監督として結成されたというイルミナートフィルハーモニーオーケストラをこれまで知らず、演奏を聴いたことがなかったのでとても興味をもっていました。
客席は二階席前方真ん中辺り、オーケストラ全体が見渡せてとても見やすい席でしたが、前列の方が背もたれによりかからず体を前に出して聴かれていたため、二階席が段差になっているとはいえ1曲目で登場したヴァイオリニスト、毛利文香さんのお姿がちょうど前列の方の体にすっぽり隠れて見えなくなってしまい残念でした!体を横に傾けながら聴くことになりました。
ショールの「幻影」は2018年にヴァイオリンとオーケストラのために作ったという新しい協奏曲でした。オーケストラでこれまで聴いてきたのは伝統的な古典音楽であるクラシックのイメージだったので、現代の作曲家による協奏曲は、タイトルや解説を見ても何だか難しそうだな、という先入観がありました。明るい恵の踊りの第一楽章、悲しみや死の感情といった暗いエレジーの第二楽章、最後はファルコン(=はやぶさ)の飛行という名前の通り、難しい技巧が盛り込まれた速い楽章で、木琴の音色が効果的に使われていました。当然、ヴァイオリンにおいても高度な技術を要求される楽章となっていて、毛利さんのオーケストラと一体になった迫力ある演奏は見事でした。
レスピーギの「ローマの松」は、それぞれの楽章で全く違う雰囲気の曲調でした。同じローマでも場所によって松の見えている景色は違うのであり、松が感じているであろう幸せや寂しさなど、楽章ごとに設定された時代背景とともに松の気持ちを考え、想像しながら聴いていました。また、通常のオーケストラのように最後まで着席したスタイルにとらわれず、遠くから聞こえてくるトランペットによるグレゴリオ聖歌をステージ袖から演奏したり、金管を演奏する方々が途中から登場し一番前で立ったまま華々しい光景を明るくパーンと壮大に奏でたりと、いろいろな仕掛けが面白かったです。鳥の鳴き声はどこから聞えてくるのかなとステージを見回してしまいました。
ラヴェル「ボレロ」とアンコールのハンガリー舞曲では、とにかく西本さんの指揮を堪能できた素晴らしい時間でした。女性だけど男性的に荒々しく激しい指揮をされていたかと思えば、女性ならではの優しく繊細な指揮、あの細い身体のどこから出てくるのだろうというエネルギッシュな指揮に魅了されました。特にボレロはたった二つの主題だけでこれほどの楽曲に仕上げるすごさを西本さんが身体全体を使って表現されていて、最後の盛り上がりは圧巻でした。曲が終わって鳴りやまない拍手の中でもクールな表情の西本さんが、また素敵で格好よかったです。
地中海からの風を確かに感じるような、西本さん率いるイルミナートオーケストラの爽やかな、それでいて熱い演奏会でした。
(40代女性モニター、2階席で鑑賞)

初めてイルミナートフィルハーモニーオーケストラのコンサートでした。女性の奏者が多いようで、ウィーンフィルのような柔らかな音色(ベルリンフィルは力強くて硬い音色、ウィーンフィルは優しく柔らかい音色、と私の勝手なイメージです)に感じました。ゆえに、ウィーンフィルと共にメインオーケストラとしてバチカンに招聘されるのだろうと独り納得して聴いていました。
1曲目は2018年にアレクセイ・ショールが作曲した「Phantasms(幻影)」、嬉しい日本初演でした。3楽章からなるヴァイオリン協奏曲で、第一楽章Dance of the Graces はボッティチェッリの「プリマヴェーラ=春」の絵画を目に浮かべ、イタリアの海風、明るい陽射しを感じながら聴き入りました。しっとりした静かな第二楽章「Elegy」から第三楽章「Flight of a Falcom ファルコンの飛行」はタイトルのごとく早く軽快です。ヴァイオリニストの毛利文香さんの演奏が際立っていました。右の弓で繊細なメロディを弾き、すぐにピッツィカートをしたかと思えば、左手のピッツィカートを伴奏に右手で弓を弾くという(おそらく)とても高度なヴァイオリンの奏法を目の当たりにして、唯々、目を見張るばかりでした。
2曲目、O.レスピーギのローマ三部作(祭り、噴水、松)の1つ「ローマの松」は名所の松を描いた4つの楽章では様々な楽器が効果的な役割を果たし、異なるイメージを醸し出します。特に第三楽章「ジャニコロの松」におけるクラリネット、ハープ、ピアノ、チェレスタ…の旋律から、松に射す月の光の変化を感じていました。第四楽章の「アッピア街道の松」も華々しい力強い響きで盛り上がりのエンディングでした。なぜか、自分が各楽章の松になりその光景を見つめているような気分で聴いていました。
3曲目のM.ラベルの「ボレロ」は超有名な曲です。中学生の時、学校行事で行った音楽会で初めて聞いたとき、実はその良さがわかりませんでした。大人になるにつれて、同じような繰り返しの中に、少しずつ、でも着実に変化をつづけ、曲の終わりに向かっていっている、まるで人生のような、そんな深みを理解できるようになった曲です。
どの曲をとっても、西本智実さんの指揮による聴き応えのある演奏でした。何より、両脚をガッと開いてパワフルに指揮する姿が格好良く、益々、ファンになりました。
(50代女性モニター、1階席で鑑賞)

10/20西本智実指揮イルミナートフィルハーモニーオーケストラの詳細は、こちら