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29年度ルネ鑑賞モニターレポート⑥「松竹大歌舞伎」

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8/31(木)「松竹大歌舞伎 中村橋之助改め八代目中村芝翫襲名披露」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。

 

これまで、歌舞伎を見たことがなかったので、とても楽しみにしておりました。
歌舞伎役者というと、とても華やかなイメージをもっていたのですが、実際の舞台をみて、伝統芸能というものの重みを感じました。
歩き方、手の動き、発声、またセリフに至るまで、決まった型をものにしていく事は大変なことなのだろうと思いました。役者以外にも、囃子方、黒子、舞台の外にいるスタッフ、そして代々芸を守ってきたという事が舞台を見ていて伝わってきました。
演目に関しては、今回初めての歌舞伎だったこともあり、イヤホンガイドを利用して観覧しました。本当は7月初旬の解説を聞きに来たかったのですが、予定が合わずいけませんでした。
イヤホンガイドは、セリフや人物設定など、丁寧に説明していて、おかげで話の筋が良くわかりました。ただ、やはり片耳をふさいで舞台を見なければならないので、できれば、事前に勉強してから見たかったなと思いました。
猩々では、お酒をのみ、だんだんと気持ちよく酔っていく様子がみごとに舞われていました。こちらの演目は、シンプルなセッティングで舞に専念して観ることができました。
熊谷陣屋では、舞台セットが現代劇っぽくてびっくりしました。
こちらでは、話の筋を追うのにちょっと大変でしたが、直実の迫力、義経の堂々とした大将っぷりは見事でした。また小次郎の首を赤ちゃんに見立てるあたりで感涙してしまいました。
今回はホールでの観覧でしたが、芝居小屋で見るとまた一味違った雰囲気なのかなとも思いました。言葉が現代語ではないので、やはり少し勉強してから見なければいけないなと思うのと同時に、そうであるがゆえに少し敷居が高くなってしまうのだろうなとも思いました。
(30代女性モニター、1階席後方で鑑賞)

 

夏休み最終日、ㇽネ小平が銀座の歌舞伎座にワープしたようだった。第一印象は、舞台・背景・花道・揚幕など大道具がとても立派だった。歌舞伎座の華やぎは独特のものがあるが、どうして、ルネ小平座も捨てたものではない。着物姿の観客も目立ち雰囲気を盛り立てる。
今回の座席は2H列20番。天井に近いうしろの中央。舞台全体が収まり、花道から引き込む最後の揚幕まで視界に収まった。舞台うしろからは大向こうの声が真近に聞ける。「待ってました!」「成駒屋!」「音羽屋!」「高砂屋!」「高麗屋!」と声が掛けられる。その声は胸がすく様ないい声だ。私の後ろには男女学生40名ほどが、総合学習の日本の伝統文化を学ぶため来ていた。能と歌舞伎を見たという。小平の若い世代の人たちに、このような形で触れるチャンスを授けてあげられたらいいなあと思う。残念ながら、2階後部の空席が目立った。席が余りそうだったら、1幕見席などとして、格安に提供することも考えてもよいかと思う。
今回の歌舞伎の上演に先立って、七月に古典芸能解説者の葛西聖司アナウンサーの「歌舞伎プレセミナー」がリンクして開かれた。そのセミナーに参加して見たという人も多いかと。そういう事前学習は、実際の演目を見る際に興味を増幅する。とても良い企画だと思った。何かの公演の前に事前学習的企画を今回のように組み込んでいけたら、いい刺激になって、公演自体盛り上がると思う。
そういう大向こうの人たちや、歌舞伎の舞台裏を陰で支えているスタッフの人たちへのQ&Aなどができたら面白いのではないだろうか。舞台裏に繋がるようなことを企画できれば、一つの企画がより厚みを増していくと思う。
今回、歌舞伎を見ることができてとてもよかった。是非、再びのルネ小平座での公演を企画していただければと、伏して乞い願い奉りまする~。
(50代女性モニター、2階席後方で鑑賞)

 

歌舞伎鑑賞は、数十年前に一度観ただけ。知識の準備をしたほうがいいかな、鑑賞ガイド音声を借りたほうがいいかな、と考えながら、結局、ただ感性のままに観劇しました。
はじめの演目は、古典書物に登場する架空の動物「猩々」の舞。彩度の高いオレンジ色の綺麗な着物をまとった2匹の「猩々」が、大好きなお酒を呑みながら楽し気に舞います。
踊りながら、足の先をくっと曲げる仕草が動物的で、なんとも愛らしく、真っ赤なふさふさの髪をゆさゆさ揺らしながらお酒を呑む姿も、酔っぱらって足元がおぼつかない様子も、「猩々」の存在感たっぷりで、かわいらしいなあと感じました。
衣装はもちろん、お囃子や、大きな音をたてて足で舞台を踏み鳴らす様子など、全てが華やかで美しく形式美に富んだ芸だと思いました。
次は「口上」。文言をきいていると歌舞伎における襲名披露とは大変なイベントなのだなと改めて感じます。襲名をする役者に向け贈られる言葉の数々は、誤解を恐れずに表現するとまるで結婚式のスピーチのようでした。その人物との関係性や繋がり、今日に至るまでの具体的な出来事を並べて、主役を褒めたたえます。舞台上の世界のみが芸、というより、その家系の歴史、家族などを全部まとめて応援をする、歴史や家族まで披露し、それらをひっくるめて、歌舞伎の芸、としているのだなと感じました。
最後の演目は「熊谷陣屋」でした。見得を切るなどの仕草から、歌舞伎に対して派手なイメージを持っていましたが、中村芝翫さん演じる熊谷直実は、始めらから終わりまで、じわじわと心に沁みわたるようでした。能楽が削いでいく表現、非現実的な世界へいざなう芸術ならば、歌舞伎は、人間のもつ日々の感情、普通の感情をそのまま表現していく、どこまでも人間にやさしく寄り添った、実感に溢れた芸術なのではないかと感じました。
何の勉強も準備もなく鑑賞した歌舞伎でしたが、頭での理解を超えて、ぐっと心に届いてくるもがありました。素晴らしい舞台でした。
(40代女性モニター、2階席後方で鑑賞)

 

8/31「松竹大歌舞伎」公演詳細は、こちら