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30年度ルネ鑑賞モニターレポート⑨「ぱんだウインドオーケストラ」

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10/7(日)ぱんだウインドオーケストラに寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。

・17時開演という時間設定が中途半端。私的な時間のやり繰りが多少大変である。しかし午前中吹奏楽クリックがあったので、それとの兼ね合いで仕方ないとも思うのだが。
・16時30分過ぎに大ホールに入ると、前方客席には様々な楽器を手に持っている中学高校生が既に着席していた。午前中に行われた吹奏楽クリックの参加者で、本公演最後の合同演奏に出演することがわかり、どんな演奏を披露してくれるか開演前から期待が膨らむ。
・ホール内を見渡すと、これまでの公演と違って若い人が目立つ。このコンサートの特徴が良く表れていて、学生料金を1000円と安く設定した効果だと思われる。開演前の客席からは、楽器や各ホールについての会話が聞こえ、何かしら音楽に携わる人が多いことが推察された。
・吹奏楽のまち こだいら発吹奏楽フェスティバル 新進気鋭の吹奏楽団による最先端のブラスミュージックが開演したが、コンサートマスターが司会進行しながら展開していくのも目新しい演出で好感が持てた。
・休憩時トイレに行くが、既にスタッフがいて声かけ誘導し、女性トイレ前には一列に壁に沿って整然と並び混乱もなく通路も空きスペースがあり歩き易い。人的なサービス、接遇は絶対必要である事を再認識した。
・演奏については、吹奏楽のための第一組曲はクラシカルな内容がとても印象的。アフリカの儀式と歌、宗教的典礼は泣き声、叫び声、歌声もありアフリカの情景が伝わってくる。富士山~北斎の版画に触発されて~は前曲のアフリカと全く異なる趣の曲で日本の雄大な光景がひしひしと伝わってくる。二部最初のアメージング・グレイスは唯一知っている曲であり、オーケストラをバックに声を出すことが出来、とても心が洗われステージとの距離が縮まり一体感が持てた。アルメニアン・ダンス全曲は吹奏楽の第9と言われるだけに、スケール大きく壮大さが伝わってくる。最後のアルヴァマー序曲は、吹奏楽クリック参加者との合同演奏。ステージは100人超でスペースなく全員立ったままの演奏。中学高校生が団員に挟まれながら一生懸命に演奏している姿が感動的で、大人数のパワーに圧倒された。中学高校生には貴重な経験体験となったと思われる。
・吹奏楽クリックには70名が参加したそうだが、若いプロから直接指導助言が受けられることは、とても貴重な機会であり、若い人材を育成することは、ルネこだいらの地域貢献でもあるので、とても素晴らしいこの企画を今後も是非継続してほしい。
(60代男性モニター、1階席で鑑賞)

 

ぱんだウインドオーケストラの名は聞いたことがあったものの、演奏を聴くのは初めてでした。会場に着くとお客さんは中学生・高校生~20歳代位が通常の演奏会よりずっと多く、今まさに吹奏楽に取り組んでいる若い方々に人気の楽団なのだなと感じました。中には制服姿で楽器を持っている生徒さんもいて、あとで出演するのかな、と思いました。
開演し出演者が入場し一斉に前を向くと、全員が若々しく英気みなぎる雰囲気で素敵な表情で、エネルギーがバッと客席に伝わってきました。衣装は黒か白ですが、上が白・下が黒の定番スタイルではなく、全身黒や全身白の人もいれば、縦に半分で白黒の人もいて、全体としてパンダのような色彩でお洒落でした。
1曲目は、この楽団のために作られた《PANDASTIC!!》。どのパートの音も丁寧に奏でられ心地よく響きます。特に、金管楽器や打楽器では割れるような音質が吹奏楽では当たり前と感じていましたが、ぱんだウインドでは美しく高らかに鳴り響きます。難しいと思われるトランペットやホルンの高音も見事に響き、技術力の高さを1曲目から感じました。
2曲目は、ホルストの「吹奏楽のための第一組曲」。冒頭のコントラバスが表情豊かで印象的に響き、以前この曲を聴いた時には聞き逃していた裏のメロディーやハーモニーが、一つの音も無駄はないと言わんばかりに美しくキラキラと響いてきました。
3曲目は、ロバート・W・スミスの「アフリカの儀式と歌、宗教的典礼」。途中で動物の鳴き声が出てくると曲前に解説がありました。冒頭は管楽器の重厚な音が鳴り響き、パーカッションパートが複数の打楽器で同じリズムを叩き大迫力でした。続き、民族的な雰囲気の小楽器のリズムや笛の旋律が続き、太鼓のリズムに乗って様々なパートで旋律が演奏され、次第に静かでゆったりした雰囲気に変わり、アーという声が楽器の演奏に加わり、神秘的な美しさになりました。その後再び金管楽器の低音やパーカッションの激しい響きに乗って高らかな叫び声も加わって高揚していき、大迫力でお客さんも引き込まれている雰囲気でした。
4曲目は真島俊夫の「富士山~北斎の版画に触発されて」。西洋音楽の中に日本的な雰囲気が描かれる感じの曲で、各パートが自分たちの目立つ旋律のところだけではなく、曲中の地味な役割も丁寧に心をこめて演奏されているように感じられ、音楽に対する愛が伝わってきて色彩感が豊かでした。中盤の木管楽器のアンサンブルが美しく、後半の金管のファンファーレも素晴らしく、若いエネルギーを受け止める指揮者も、若い女性でありながら冷静かつ表現豊かで堂々としていて素敵でした。
休憩をはさみ、後半1曲目は「アメージング・グレイス」。お客さん参加型で、曲の途中で合図があったら1回目はハミング、2回目はアで旋律を歌うということでした。曲はサックスが甘い音色で奏でるメロディーから始まり、ユーフォニウムの対旋律など美しく綿々と流れていきます。指揮者が分かりやすく4小節前から合図を出してくれてハミングやアで歌うことができました。一緒に音楽を作る楽しさを感じられ、指揮者の顔の表情を含めた表現力の豊かさも見ることができてよかったです。
後半2曲目は、吹奏楽をやっている人なら憧れの曲、アルフレッド・リード作曲「アルメニアン・ダンス」でした。今回はパートⅠだけでなくⅡも全曲演奏するということで期待が高まっていました。パートⅠ冒頭は大迫力で民族的雰囲気、続く部分ではオーボエやミュートしたトランペット等と弱く優しく奏でるグロッケンとの交わりが素晴らしかったです。8分の5の部分では、低音パートとタンバリンやスネアドラムの軽快なリズムに管楽器が乗って、美しく踊るような民族的なリズムが体に伝わってきました。続くTuttiでも素晴らしい音の厚みと輝きに魅了され、全く飽きがきません。雄大なフレーズの後、陽気なリズムになり、再びパーカッションの正確でノリの良いリズム感が光り、金管の盛り上がりやクラリネットソロやトロンボーンなど低音の対旋律も見事、テンポが上がっていっても一体感がキープされ、パートⅠが終わった瞬間、思わず「ブラボー」と叫びたくなりましたが、ここで拍手を取らずにパートⅡに入りました。第1楽章は美しい抒情的な雰囲気で始まり、オーボエダモーレの感傷的なソロがとても美しく、続いてアルトサックスの高音のメロディーにクラリネットやグロッケンが寄り添うように奏でられました。ホルンの旋律は高らかに角笛のように響き、ハープも絡んでクラリネット、フルートと移り、その美しく神秘的な感じは、森に迷い込んだような、どこか懐かしいような、何とも言えない詩的な雰囲気でした。再びのオーボエダモーレにヴィヴラフォンも陰影を与え、終盤は非常に絵画的でした。第2楽章はほっとするような素朴な曲調で舞踊の3拍子のリズムの一体感が心地よかったです。第3楽章は冒頭のファンファーレ、続くスネアやバスドラムのロールも素晴らしく、ファゴットとバスクラリネットのメロディーも印象的でした。様々な楽器の活躍で大迫力の後、一度ゆったりした舞曲になり、再び曲が激していきました。大変な集中力・気迫の伝わってくる演奏でした。
最後の「アルヴァマー序曲」では、午前中クリニックを受けた中高生がステージに上がり、ステージに入りきれないからということで全員で立って一緒に演奏されました。定番曲とはいえ、プロの速度、表現についていくのは大変だったのではと思いますが、いきいきと楽しそうに演奏する中高生の姿を見て、心に残るかけがえのない経験となっただろうなと思いました。若いお客さんにとっては羨望の舞台だったことと思います。午前中からクリニックをして下さり、終演後にはサイン会にも長い行列ができていました。演奏者の方々は一日中さぞお疲れになったのではないかと思いますが、本当にありがたい機会だったと思います。
一人一人がプロ奏者のレベルの方々が熱い想いを持って奏でる吹奏楽の演奏というものを今回初めて聴きました。この楽団によって再評価される吹奏楽曲がきっと多くあるのではないかと思います。また、この楽団のためにまた名曲が生まれていくことだろうと思います。吹奏楽の新しい時代の幕開けのように感じました。
若々しい雰囲気の会場を後に、小平の音楽の未来は明るいなと思いました。
(30代女性モニター、1階席で鑑賞)

10/7ぱんだウインドオーケストラ公演の詳細は、こちら