2025年度ルネ鑑賞モニターレポート②「第二十五回ルネ・お笑い演芸館 立川小春志独演会」

2025年5月13日(火)「第二十五回ルネ・お笑い演芸館 立川小春志独演会」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
立川談志(1936~2011)、昭和から平成にかけての名人にして落語立川流家元。その孫弟子で立川流初の女流落語家立川小春志(1982~)の独演会(演題「風呂敷」「大工調べ」)を中ホール(約400席)で聴いた。
チケットは完売で小春志の人気振りをうかがわせた。実際、熱気溢れる好演。平日の午後ということもあり観客はほぼ中高年のみ。願わくば、若年層が落語に触れる機会をもっと増やせればと感じた。
興行的には大ホール(約1230席)でも埋めることができたかもしれないが、落語の来し方を考えると中ホールでも大きいように思う。その昔、人形町末廣という席亭に通った。そこは畳敷きに座布団、観客はせいぜい200人、無論、電気音響などない。が、風情があった。それを再現しろとは言わない。舞台の設えや照明や客席の明るさなど伝統芸能の面影を彷彿とさせる工夫に、落語の行く末がかかっているように思う。
「落語とは人間の業の肯定である」と看破した談志の孫弟子がどのような話を聴かせてくれるか楽しみにしていた。人々の相容れない「業」を生き生きと描く力量にも驚いたが、なによりその口跡の良さに驚かされた。大師匠談志のそれよりもライバル古今亭志ん朝(1938~2001)に近い。ひさびさに心地良い落語を聞いた。


(70代男性モニター)

「第二十五回ルネ・お笑い演芸館 立川小春志独演会」の詳細は、こちらのページをご覧ください。
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