2025年度ルネ鑑賞モニターレポート③「劇団四季 ミュージカル 赤毛のアン」

2025年6月29日(日)「劇団四季 ミュージカル 赤毛のアン」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
劇団四季のミュージカルが小平に来る!という魅力的な言葉に惹かれて、ルネこだいらに出かけました。私は「赤毛のアン」の原作を読んだことが無く、男の子を欲しがっていた里親のところに到着したのは実は女の子のアンだった、というところから始まるビルドゥングスロマン(自己形成小説)、という予備知識だけで会場に向かいました。主役のアンを初めとした劇団四季の出演者は、演技、歌、踊りのどれをとっても、一人一人のスキルが素晴らしいだけでなく、アンサンブルでも息が合っていて、ミュージカルの楽しさを満喫できました。浅利慶太氏の演出は、アンが一歩ずつ成長する様子が丁寧に描かれていて、アンの振る舞いに一喜一憂する観客の共感を呼ぶものでした。1階の平土間向けの演出ではなく、2階建てのマシューの家が絶妙に作られていて、2階の後方の席でも登場人物が見通せるよう配慮されていたのはありがたかったです。オペラグラスを持参するのを忘れてしまったので、アンのそばかすのメイクが分からなかったのが唯一心残りでした。
完成度の高さは、受付で販売していたプログラムで、あらためて理解することができました。今回のルネこだいらでの公演は、原作者のモンゴメリー生誕150年を記念して行われている、3月から9月にかけての半年に及ぶ60回を越える全国ツアーのほぼ中間地点に位置していることを知りました。様々な条件の舞台で上演するという前提によるものだと思いますが、回り舞台やセリを使うこと無く、紗幕の後ろで素早い場面転換が行われていました。舞台装置は場面毎に変化に富んでいて観客を飽きさせることがありません。次はどんな場面になるのかなと、期待が膨らむ場面転換でした。音響については会場のスピーカーではなく自前のPA(舞台の音響システム)によって、舞台から声が聞こえてくる雰囲気がよくでていました。北海道から鹿児島まで、舞台装置一式を大型トラックに積んで、キャストとスタッフが共に移動して公演を実現するのは実に大変なことだと思います。劇団四季の底力をみる思いでした。酷暑に負けずツアーが成功することを祈っています。

運営について
公演が14時からだと勘違いしていたため、滑り込みになってしまいました。
時間が無い中2階のトイレが女子用になっていたため少々慌てました。幕間のトイレ行列で意味が理解できましたが、トイレの変更については掲示を多めにして欲しかったです。

企画内容について
レベルの高い公演で、しかも完売御礼だったので、土日の二日間の公演にしてもらった方がよいのではと思いましたが、ほとんどの会場で一日限りの公演なので仕方がないですね。劇団四季は株式会社だけあって、実にしっかりとした運営が行われていて安心して観ることができました。引っ越し公演のスケジュールの中にはめ込んでもらうための交渉、ありがとうございました。



(60代男性モニター)

「劇団四季 ミュージカル 赤毛のアン」の詳細は、こちらのページをご覧ください。
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