2025年度ルネ鑑賞モニターレポート⑥「デビュー50周年記念 千住真理子ヴァイオリン・リサイタル」

2025年9月7日(日)「デビュー50周年記念 千住真理子ヴァイオリン・リサイタル」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
300年の眠りから蘇ったという幻の名器ストラディヴァリウス<デュランティ>が聴ける大変貴重な機会、千住さんの奏でる力強く輝きに満ちた響きに酔いしれたひと時でした。
メインプログラムのフランク・ソナタの充実した演奏もさることながら、前半のクライスラーの小品集は、有名な『愛の三部作』がありませんでしたが、千住さんの解説も相まって、初めて聴く作品に新たな発見がありました。また、アンコールの最後は全霊を打ち込むような大熱演で感動的でした。
千住さんのトークは、恩師である江藤俊哉氏のこと、御家族のことなどを織り交ぜながら、作品の一般的な解説に留まらず、曲に込めた思いや魅力を語られていて、音楽に対する情熱が伝わってきました。


(60代男性モニター)


コンサートについて
千住真理子さんは12歳から30代まで江藤俊哉氏に師事、辛い練習に耐えながら小平に通ったため、この地は特別な場所とのことです。今年デビュー50周年を迎え、ストラディヴァリウスを奏でるその音は円熟した大人でしか出せない味わい深いものでした。バイオリンの音がまるで物語を語る語り部のようで曲の描く情景を思い浮かべなら聴きました。
F.クライスラーのウイーン狂詩的小幻想曲は作曲家の晩年の作品です。ユダヤ人であるため第二次世界大戦中、故郷であるウィーンを離れアメリカに渡り二度と帰ることがなかったその地を思い作った曲です。ある晩ウィーンに戻り喜びで溢れる夢を見ますが、これは夢の中のことと感じる哀しい思いが交差します。その相反する思いをバイオリンとピアノの音のずれで表現、とても繊細で素晴らしい演奏でした。
C.フランクのヴァイオリンソナタは約20分に及ぶ演奏で、技術だけではなく体力も必要と実感しました。千住さんのご家族についてもお話しくださり、とても大きな影響を受けていることもわかりました。
ピアノの山中惇史氏は決して目立って前には出ず、しかし確かな音と表現力で演奏し、千住さんを支えていました。アンコールの2曲も趣向が正反対で会場を盛り上げていました。

運営について
4回目のモニター鑑賞となりました。 毎回カラーの違う公演で事務局の方々が企画、招致、会場運営と大変な努力をされていると感じています。
今回は休憩時間にホール内1階のトイレを使用、相変わらず混んでいましたが、係りの方がトイレ内でテキパキと順番を指示されており混乱がなく良かったです。6月の時は、道路側から入る1階のトイレに入場前に利用、ものすごく混んでいて係りの人もいなかったので、こちらは何らかの工夫が必要だと思いました。


(60代女性モニター)

「デビュー50周年記念 千住真理子ヴァイオリン・リサイタル」の詳細は、こちらのページをご覧ください。
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